お客様から頂いたメールとその回答をご紹介。
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先日はお店でコリドラスの産卵についてお答えいただき有難うございます。大変参考になり、現在は約2㎝になり親と一緒に泳がしています。
今回は金魚について質問させて下さい。普通の60㎝水槽の上部フィルターで、約4㎝のらんちゅう2匹、オランダ獅子頭、青文、茶金、東錦、琉金、丹頂とドジョウ8匹位と、石巻貝5、ヤマトヌマエビ7と入れているのですが入れすぎですか。
今日も3分の1の水換えをしたのですが白く濁ります。どうすれば透明になりますか教えて下さい。
金魚を飼い始めて30年余りですが、こんなことは初めてです。どうかよろしくお願いいたします。
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今回ご質問頂いたお客様は金魚を飼育されているのですが、熱帯魚の水槽でも同じ事が起こりま
す。飼育水の白濁は原因、対処方法とも金魚と熱帯魚に基本的な違いはありません。
熱帯魚を飼われている方も参考にしてください。
ちなみに今回ご質問頂いたお客様の場合、少し金魚の飼育数が多すぎる様に思います。
これだけの匹数を飼育するにはしっかりとした濾過装置(フィルター)が必須です。
今回は、飼育数が多すぎる。濾過装置が弱すぎるといった基礎的な要因を除いてお話します。
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まず原因!!
大まかに飼育水が白濁する原因は 3つです。
①、 微粒子が浮遊している状態。 (目に見えるゴミが水中を漂っている。)
②、 有用細菌以外の菌が大量繁殖 (悪い菌がいっぱい増えている)
③、 有用細菌(ここでは好気性細菌)の死骸が浮遊 (良い菌の死体が水中を漂っている)
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対処方法
1、の場合
特にセット初期 砂やろ過材などの微粒子、色素などが飼育水内に舞い白濁する事があります。
でっ!この対処方法は簡単!!
「目の細かいフィルターマットを濾過器にセットする。」
白い綿のようなウールマットと呼ばれているフィルターマットを使って水中内に舞っている微粒子を
濾し取れば白濁は解消!!流木などの色素は活性炭を入れて吸着させます。
ADAのクリアダッシュなど凝固剤を使用すると、さらに素早く白濁を抑えることが出来ます。
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②、の場合
このパターンが一番多いですね。
お魚飼育をする場合において有用細菌といわれる菌のほとんどが好気性細菌と言われるもので
す。この好気性細菌とはなんぞや?って事ですが。
酸素を消費して増殖する菌の事です。 つまりいっぱいブクブクがあると良く増える菌です。
以下こいつを「あんぱんマン」とします←(たとえが悪くよけいに分かりづらい可能性あり)
逆に嫌気性細菌ってヤツもいまして。酸素を嫌う菌のことです。
以下こいつを「ばいきんマン」とします。
あんぱんマンは汚れを分解する役目を担っていますから、この「あんぱんマン」が不足または弱って
しまうと魚の排泄物や残餌がたんぱく質や窒素化合物として存在し続け飼育水を白濁させてしまう
原因となるわけです。
つまり「あんぱんマン」が元気な状態にあれば白濁しないわけですね。
そこで
あんぱんマンが弱る事例 (好気性細菌の活動が鈍る事例)
1、エアレーション(ブクブク)がない→ 酸素が不足 → あんぱんマン弱る。ばいきんマン元気!
2、汚れがいっぱい!→あんぱんマンがいっぱい酸素を消費 → 酸素が不足する →あんぱん
マン弱る → ばいきんマン元気!!
3、底砂の中に汚れが溜まり底砂内の酸素が不足した状態になる →砂の中でばいきんマン
power up↑ →あんぱんマンやられる。
他のパターンもあるとおもいますが、大体が↑の様な状態で酸素が不足する事により白濁が起こ
ります。
水草が光合成により酸素を供給する事は有名ですが、照明を落としている時、つまり水草が就寝状
態にあるときは、水草も酸素を消費し二酸化炭素を排出する割合が増えるため、水草が多く入って
いる水槽でも夜間のエアレーションが必要なのはこの為です。
②の原因に対する対処方法をまとめると。
1 餌を与えすぎない!
2 白濁している時はとにかくエアレーションをする。
3 定期的にフィルターや底砂など汚れの貯まるところを掃除する。
って事ですね。
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③、の場合
意外と見落としがちなのですが、「あんぱんマン」けっこうあっさり死にます。
このあんぱんマン1つ1つは小さいですが膨大な量なので死んじゃうと飼育水が白濁します。
人間のウンコの半分以上は腸内細菌の死骸だって話も聞いた事ありますし、チリも積もれば山とな
るとはこの事ですね!!
そこであんぱんマンが死んじゃう事例 は これだ 1.2.3 → ワン ツー スリー
1、急激な水質の変化。 たとえば大量の水換えをした。PHが急激に変化したなど人為的に急激
な水質の変化を起こした場合 あんぱんマン死にます。
お店でも時々やってしまうことがあるのですが、PH降下剤(水質を酸性にする薬)を入れすぎ
たり
して急激なPH値の変化を起こしてしまった場合、飼育水が白濁します。
典型的なあんぱんマン大量虐殺のケースだと考えています。
魚も急激な水質の変化を嫌いますが、バクテリア(細菌)も同じなんですね!!
2、酸欠(飼育水内に酸素が不足する状態)になると あんぱんマン死にます。
先にも書きましたが、餌のやりすぎやエアレーションのない状態になり酸素が不足した状態にな
るとあんぱんマンは酸欠で弱ったり死んでしまったりします。
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③の原因の対処方法
細菌の死骸も言い換えれば汚れです。この汚れを分解するのはあんぱんマン(好気性細菌)
の役目!! あんぱんマンが増えやすい状態にする。さらには熱帯魚屋さんで売っているあんぱ
んマンを水槽に添加する(水景工房ではバイコムという商品名のあんぱんマンをオススメしてま
す)などして、新たなあんぱんマンをたくさん増やす事により、あんぱんマンの死骸を新あんぱん
マン達が分解し白濁が治まります。
ちなみに、ばいきんマンには酸素がある状態でも活動できる通性嫌気性細菌ってのと酸素がな
い状態でないと活動する事が出来ない編性嫌気性細菌ってのがいまして。
この通性嫌気性細菌ってのが、飼育水の濾過にかかわってくるのですが、話がややこしいので、
またの機会に!!
以上、飼育水の白濁する原因とその対処方法のお話でした まる